148か国の法規調査と25か国の海外規格購入支援で得た実務経験

これまで、複数の国・地域を対象とした法規調査と、各国の規格発行機関などから規格を入手するための購入支援に携わってきました。

これまでの作業記録を整理すると、経験した範囲は次のとおりです。

  • 法規調査:148か国
  • 海外規格購入支援:25か国

以下は、その経験をTableauで可視化したものです。

法規調査と海外規格購入支援の経験国

これまでの作業記録をもとにTableauで作成した可視化です。

複数国を対象とした法規調査

法規調査は、単に法律や規制、政府機関のWebサイトを探すだけでは終わらないことがあります。

対象国や調査内容によっては、関係する行政機関を特定し、一次情報を探し、文書の有効性や更新状況を確認し、必要な情報を比較しながら整理する必要があります。

複数国を調査する中では、特に次のような点を区別することが重要だと感じています。

  • 一次情報と二次情報
  • 現行情報と旧情報
  • 義務的な要求事項と参考情報
  • 国内要求事項と国際規格
  • 確認できた事実と、追加確認が必要な事項

そのため、法規調査は「情報を見つけること」だけではなく、情報源を確認し、結果を再利用できる形に整理するところまで含む作業だと考えています。

海外規格購入支援は、文書を購入するだけでは終わらない

海外規格の購入支援でも、オンラインショップで文書を購入するだけでは済まないケースを多く経験しました。

国や規格発行機関によっては、次のような確認や対応が必要になります。

  • 国外から購入できるか確認する
  • 購入条件を確認する
  • 必要な版や文書を特定する
  • 国内規格がISO規格やIEC規格と同一なのか、またはそれらを基礎としているのか確認する
  • 規格発行機関や関係機関へ問い合わせる
  • 必要に応じて購入者やEnd Userに関する条件を確認する
  • 国際送金などの支払方法に対応する
  • 追加費用や支払上の問題を確認する

ある機関で問題なく利用できた購入方法が、別の国や機関でも同じように利用できるとは限りません。

実際には、購入手続きへ進む前の調査や確認が重要になることも多くあります。

国際送金で追加費用を求められた事例

実務で経験した例の一つに、海外規格の購入に伴う国際送金があります。

当初の支払いを完了した後、追加の銀行手数料を支払うよう求められたことがありました。

すぐに再送金するのではなく、まず支払条件と追加費用が発生した状況を確認し、関係先へ問い合わせました。

結果として、追加送金を行う必要はなくなりました。

金額や手続きとしては小さな問題でしたが、海外規格の購入では、単純な支払処理だけではなく、

  • 購入条件を確認する
  • すでに支払った内容を確認する
  • 関係機関へ問い合わせる
  • 次に必要な対応を判断する

といった作業が必要になることを実感した事例でした。

ResearchからStructured Accessまで

こうした経験を重ねる中で、法規調査と海外規格購入支援は、別々の作業というより、一連の情報確認プロセスとして考えるようになりました。

基本的な流れは次のように整理できます。

Research
→ Verification
→ Procurement Support
→ Structured Access

文書を購入する前には、まず「どの文書が必要なのか」を特定する必要があります。

さらに、その文書を利用する前には、

  • 現在有効な文書なのか
  • 国際規格とどのような関係にあるのか
  • どのような購入条件があるのか
  • どのような利用条件があるのか

といった点を確認する必要があります。

文書を入手した後も、必要な情報を検索、比較、再利用しやすい形に整理することが重要です。

より体系的な方法へ

今後は、海外規格へのアクセスや購入支援について、より体系的な方法へ発展させたいと考えています。

目的は、単に購入手続きを速くすることではありません。

調査、確認、問い合わせ、購入支援、情報整理を一連のワークフローとして整理し、国際的な法規・規格情報へアクセスしやすくすることを目指しています。

これは、KINOTO RESEARCHで取り組んでいる次の流れともつながっています。

Question or operational challenge
→ Research
→ Information structuring
→ Requirement definition
→ Practical tool or reusable knowledge

法規調査と海外規格購入支援で得た経験は、調査結果を再利用可能な知識や仕組みへ変えていくための基盤の一つになっています。


本記事は、これまでの実務経験を一般化して整理したものです。顧客固有情報、非公開の案件情報、購入した規格本文などは掲載していません。